噛み合わせが全身に与える影響とは?健康を支える「見えない力」
私たちが日常生活で何気なく行っている「噛む」という行為。
その基盤となる噛み合わせ(咬合)は、実は口腔だけでなく、全身の健康にも深く関わっています。
近年では歯科医療や整体の分野でも「噛み合わせが姿勢や体の不調に影響を及ぼす」という考え方が広まり、多くの方に注目されるテーマとなっています。
本記事では、噛み合わせと全身の関係についてわかりやすく解説します。
1、顎や顔への影響
噛み合わせが悪いと、まず顎関節に負担がかかります。
左右どちらかに偏った咀嚼は、顎の動きをアンバランスにし、顎関節症の原因になることもあります。
- 顎のカクカク音
- 口を開けにくい
- 顔のゆがみ
こうした症状が現れることがあり、日常生活に支障をきたす場合もあります。
2、姿勢への影響
顎は首や肩の筋肉とつながっているため、噛み合わせのずれがあると頭の位置が前に傾きやすくなります。
その結果、首や肩の筋肉に負担がかかり、
- 肩こり
- 首の痛み
- 慢性的な頭痛
といった症状を引き起こすことがあります。
デスクワークで肩こりに悩んでいる方の中には、噛み合わせが要因になっているケースもあるのです。
3、全身バランスへの影響
片側ばかりで噛むクセがあると、体の左右のバランスが崩れ、腰や足にまで影響することがあります。
- 腰痛
- 膝の痛み
- 歩行やスポーツパフォーマンスの低下
など、口腔以外の部位にも症状が現れる可能性があります。
歯科的アプローチによって体の不調が改善することも少なくありません。
4、律神経や集中力との関係
噛み合わせが不安定だと、無意識に歯ぎしりや食いしばりが増え、交感神経が優位になりやすくなります。
その結果、
- 疲労感が抜けない
- 睡眠の質が低下する
- 集中力が続かない
といった全身的な不調につながることがあります。
5、噛み合わせを整えるためにできること
噛み合わせは自己判断が難しいため、まずは歯科医院でのチェックが大切です。
加えて、日常生活の中でも以下のような習慣を心がけるとよいでしょう。
- 両側でバランスよく噛む
- 頬杖をつかない
- 食いしばりを意識して緩める
- 定期的に歯科検診を受ける
噛み合わせを整えることは、口の中だけでなく、全身の健康を支える第一歩になります。
まとめ
噛み合わせは、口腔内にとどまらず姿勢・筋肉・自律神経・生活の質にまで影響を及ぼす重要な要素です。
慢性的な肩こりや頭痛、疲労感の背景には、噛み合わせの問題が隠れていることも少なくありません。
当院では、患者さま一人ひとりの噛み合わせを丁寧にチェックし、全身の健康につながる診療を心がけています。
気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。